2元2次方程式の整数解【因数分解をするとき・しないとき】
" 2元2次方程式の整数解 “の典型的な問題を解説しています。
因数分解を利用して解けるタイプの問題は、高1のときに学習した計算で簡単に作成することができます。
学習塾の塾長だと問題を作りホウダイです。
逆に大学受験生の方からすると、その作り方を知っておくことで、より解き方を理解できるかと思います。
因数分解をしないときのタイプの問題は、二次方程式の解の公式を足掛かりにしたものを解説しています。
整数解なので、ルートが現れる無理数は不適、整数でない分数も不適ということです。
では、因数分解を利用するタイプの問題の作成方法から述べます。
2元2次方程式の整数解:因数分解タイプ
【問題作成の鋳テンプレ】
{(ax+by)+▲}{(cx+dy)+■} = 整数
この式の a, b, c, d と▲と■ に具体的な整数を当てはめて展開をすると、2元2次方程式の整数解問題が作成できます。
右辺の整数は、ほどよく問題が解けるように後で調整するために使います。
問題を出題する側からすると、高1レベルの計算で数字が変わった問題をいくつも作成できるわけです。
受験生の方からすると、a, b, c, d と▲と■ に当てはめられた整数を探し出すことになります。
{(ax+by)+▲}{(cx+dy)+■} が手品の仕掛けですが、問題が出題されるときには、展開された式の形で現れます。
それを自力でテンプレの形へ復元できると、整数という条件から、解を絞り込めるというわけです。
ほどよく計算できる問題を作りましたので、実際に問題を解き進めながら解き方を説明します。
典型的な問題
【問題1】
次の方程式を満たす整数 x, y をすべて求めてください。
3x2+5xy-2y2+11x+y+3 = 0
{(ax+by)+▲}{(cx+dy)+■} というテンプレを復元することを考えます。
与えらえた式の 3x2+5xy-2y2 を見てみます。
(ax+by)(cx+dy) の形に因数分解できます。
3x2+5xy-2y2 = (3x-y)(x+2y) です。
これで、a, b, c, d の整数が分かりました。
(ax+by)×■+▲×(cx+dy) を展開して整理したときに、
11x+y となるように■と▲が設定されています。
■ = s, ▲ = t として、どんな整数が設定されていたのかを追跡します。
{(3x-y)+s}{(x+2y)+t}
= (3x-y)(x+2y)
+t(3x-y)+s(x+2y)
+st
st が数字部分で、最後に整数を足したり引いたりして調整された結果が 3 になっています。
そのため、
t(3x-y)+s(x+2y) を展開して整理したものが、
11x+y です。
t(3x-y)+s(x+2y)
= (s+3t)x+(2s-t)y が、
11x+y となるわけです。
よって、
s+3t = 11, 2s-t = 1 となっているということです。
t = 2s-1 として、もう1つの方へ代入すると、
s+3(2s-1) = 11
7s = 14 となり、s = 2 です。
そして、
t = 2×2-1 = 3 です。
展開した後の数字部分が st だったので、この部分も計算しておきます。
st = 2×3 = 6 です。
したがって、
{(3x-y)+2}{(x+2y)+3}
=3x2+5xy-2y2+11x+y+6
ということが分かりました。
与えられた式を見ると、
3x2+5xy-2y2+11x+y+3 でした。
整数の部分を調整することで、6 が 3 になっています。
数字部分の調整に注意
6 に-3 を加えると 3 になります。
ゆえに、
{(3x-y)+2}{(x+2y)+3}-3
= 3x2+5xy-2y2+11x+y+3
= 0
左辺の-3 を移項すると、
{(3x-y)+2}{(x+2y)+3} = 3 です。
(3x-y)+2 と (x+2y)+3 は整数なので、3 の約数ということを意味しています。
3 の約数なので、次の 4 通りの可能性に絞られます。
(3x-y+2, x+2y+3)
= (1, 3), (3, 1), (-1, -3), (-3, -1)
これらの連立方程式を計算すると、
(3x-y+2, x+2y+3)
= (1, 3), (-1, -3) のときに、
x や y が整数ではない分数となってしまいます。
整数という前提に合わないので、これらは除外します。
(3x-y+2, x+2y+3)
= (3, 1), (-3, -1) の連立方程式を解くと、どちらも整数の値になります。
つまり、
(x, y) = (0, -1), (-2, -1) です。
これが答えになります。
因数分解を利用するタイプのものを述べました。
次は整数の範囲で因数分解できないタイプの解き方を説明します。
二次方程式の解の公式の形から、判別式にルートがついた部分の考察が効いてきます。
2元2次方程式で因数分解しない解き方
【問題2】
次の方程式を満たす整数 x, y をすべて求めてください。
5x2+2xy+y2-12x+4y+11 = 0
今度は、5x2+2xy+y2 の部分が整数の範囲で因数分解できないタイプです。
このタイプは、片方の文字に着目して二次方程式の解の公式を使ったときに、ルートの中身の判別式が効いてくるように問題が作られています。
D/4 の判別式の計算が使える方の文字が円滑に計算できるので、今回は y に着目して式を書き直します。
y2+(2x+4)y+(5x2-12x+11) = 0
この y についての二次方程式の判別式を D と置きます。
D/4 =(x+2)2-(5x2-12x+11)
= -(4x2-16x+7)
= -(2x-1)(2x-7)
この D/4 にルートをつけたものが解の公式に現れます。
y は整数なので、無理数にならないようにルートが消える平方数にならなければならないということからアプローチするのも手です。
他に、整数なので範囲を絞り込むと値が決まってくるということも使えます。
D/4 が因数分解できているので、不等式の範囲から値を絞り込む方で解くことにします。
y が整数解をもつときを考えているので、特に実数解をもたなければなりません。
よって、D/4 ≧ 0 です。
つまり、-(2x-1)(2x-7) ≧ 0 より、
1/2 ≦ x ≦ 7/2 です。
x も整数なので、この範囲になるのは、
x = 1, 2, 3 です。
それぞれについて、y の値が整数でないときを除外します。
y2+(2x+4)y+(5x2-12x+11) が与えられた方程式の左辺でした。
x = 1 のとき、y2+6y+4,
x = 3 のとき、y2+10y+20 です。
これで、x = 1, 3 のときは除外されます。
よって、x = 2 と値が絞り込まれました。
このとき、与えられた方程式は、
y2+8y+7 = 0 です。
つまり、(y+1)(y+7) = 0
ゆえに、
(x, y) = (1, -1), (1, -7) が答えとなります。
【問題1】のときのように因数分解できるときでも、この判別式からのアプローチは使えます。
ただ、計算の複雑さを考え、【問題1】のときは因数分解を利用して解きました。
これで、因数分解を利用する解き方と因数分解をしない解き方について解説できました。
最後にプラスアルファとして、
2元1次方程式の整数解についての典型的な問題を述べておきます。
整数の調整が絡むので、そこに慣れておくと良いかと思います。
xy+ax+byの整数解
a, b, x, y を整数とします。
(x+b)(y+a)
= xy+ax+by+ab なので、次のような等式ができます。
ab を移項しただけです。
(整数)(整数) = 整数 の形にするための等式
xy+ax+by = (x+b)(y+a)-ab
この等式は、覚えて整数を当てはめようとすると混乱するので、自分で変形できるようになっておくことが大切になります。
(整数)(整数) = 整数 の形にすると、左辺の2つの整数が右辺の整数の約数ということから、値を絞り込めます。
このために式を変形するという意識があると、変形ができるようになります。
【問題3】
次の方程式を満たす整数 x, y を求めてください。
xy-2x-4y+7 = 0
与えられた方程式の左辺は、
x(y-2)-4y+7 = 0 … ★
-4y じゃなくて-4(y-2) だと、
(整数)(整数) = 整数 の形にできます。
そこで数字の部分のズレを意識します。
-4(y-2) = -4y+8 なので、
8 を移項すると、
-4y = -4(y-2)-8 …(1)
(1) を★に代入し、
-4y を置き換えると、
x(y-2)-4(y-2)-8+7 = 0
よって、
(x-4)(y-2) = 1 です。
x-4 と y-2 は整数で右辺の 1 の約数となっています。
すなわち、
(x-4, y-2) = (1, 1), (-1, -1) です。
したがって、
(x, y) = (5, 3), (3, 1) が答えです。
今回は整数解について扱いました。
途中の計算力は大切なので、他の高1内容の記事も投稿しています。
これで今回の記事を終了します。
読んで頂き、ありがとうございました。