整数問題 – 大学入試「素数が絡む問題を検算を利用して」

" 整数問題 – 大学入試 “について、素数が絡む問題を1つ解説しています。
検算で学習した余りを用いた式を利用して、結論を絞り込んでいます。
場合分けを考えながら可能性を絞り込みたいときに、余りから突破口が開けるときがあります。
過去の大学入試で出題された問題で、複数確認できた内容ですので、押さえておくと良いかと思います。
整数を 2 で割ったときの余りに注目すると、余りは 0 か 1 の2パターンに大別されます。
整数全体を偶数と奇数に大別できます。
整数を 3 で割ったときの余りにも注目してみようというのが今回の問題です。
整数を 3 で割ったときの余りは、0 か 1 か 2 の3パターンです。
整数全体を 3 で割ったときの余りが 0, 1, 2 になる整数と大別できます。
この余りと計算式を関連させ、議論を進めるのに役立つのが検算です。
「割られる数 = 割る数 × 商 + 余り」という検算の式を考えることで、余りで大別しながら議論を進められるというわけです。
整数問題 – 大学入試:検算を利用
【問題】
p を素数とする。
p2 + 2p が素数となっているとき、p の値をすべて求めよ。
素数の定義は、正の約数が 1 と自分自身の2個しかない自然数です。
この素数の定義が効いてくる問題です。
素数の定義から、2 が素数の中で最も値が小さいものになります。
また、素因数分解の発想から、偶数である素数は 2 しかないということも分かります。
p が素数という条件から、すぐに使えそうな内容は、これくらいです。
さらに、効果的な情報を掴まないことには、どうにもならない状況です。
こういうときは、いきなり答案を記述する前に、具体的な小さな素数を当てはめて状況を調べてみるのも手です。
検算の話を上で述べたときに、余り 0 か余り 1 で偶数と奇数に整数全体が大別できることに触れました。
まずは、与えられた素数 p が偶数なのか奇数なのかを調べてみます。
具体的な値で調べてみる
p = 2 だったとすると、
p2 + 2p = 4 + 4 = 8 で、素数ではありません。
そのため、p は 2 でないということが分かりました。
偶数である素数は 2 しかないので、素数 p は 3 以上の奇数ということになります。
整数問題では、不等式の範囲から該当する整数を絞り込めるときがあります。
そこで、2 の次の素数である 3 についても計算してみます。
p = 3 だったとすると、
p2 + 2p = 9 + 8 = 17 です。
17 は素数なので、p = 3 と求める素数が1つ見つかりました。
ただ、この問題は、「p の値をすべて求めよ」ということなので、3 以外に該当する素数があるのかどうかについて断定をしなければなりません。
素数 p は 3 以上の奇数ということは分かっていますが、素数は無限個存在して、偶数である素数は 2 のみです。
奇数である素数は無限個あって、依然として、どうにもならなさそうな雰囲気です。
そこで次のアプローチを考えます。
p ≧ 3 なので、不等式の範囲で該当する素数を絞り込めないかと考えます。
p2 + 2p ≧ 17 … (1)
17 で下から評価しただけだと、素数は無限個あるので、不十分です。
値の可能性が無限に膨らんでしまうことを、上から限定したいわけです。
偶数と奇数というものは、整数を 2 で割ったときの余りで大別したものでした。
偶奇で大別すると、奇数である素数は無限個ということで、効果的ではありませんでした。
ここで、p2 + 2p が素数という条件の下で議論をしていたことに目を向けます。
p2 + 2p と項が2つしかないシンプルな式です。
2 で割ったときの余りで偶奇の大別だと、袋小路。
だったら、2 の次の 3 を割る数として大別するとどうかと順に調べてみます。
p2 + 2p が素数ということから、余りが 0 になると、割る数の倍数ということになります。
素数なので、このときに値が確定します。
項が2つしかないシンプルな式なので、検算の式で余りを計算できそうです。
該当する素数 p をすべて求める問題なので、素数 p を大別します。
p2 + 2p が素数だから、割る数を 3, 4, 5 と小さい方から調べます。
余りが 0 となった瞬間に、p2 + 2p が素数なので、その値は割った数の倍数ということで確定します。
整数問題で検算の式から計算
割る数を 2 とすると袋小路。
そこで、素数 p を 3 で割ったときの余りで大別します。
p を 3 で割ったときの余りが 0 の場合は、p が 3 の倍数であるということで、p の値は 3 で確定でした。
p を 3 で割ったときの余りが 1 の場合、余りが 2 の場合について調べます。

【余り 1 の場合】
p = 3z + 1(ただし、z は自然数)と置きます。
p2 = (3z + 1)2
= 9z2 + 6z + 1
= 3(z2 + 2z) + 1
z2 + 2z は自然数なので、
p2 を 3 で割った余りは 1 です。
2p を 3 で割ったときの余りも調べます。
ただ、3z + 1 を指数に当てはめて計算を直接すると、3 で割った余りが特定しにくいです。
そこで、上の議論で p が奇数だったということから、規則を見てみます。
23 → 余り 2,
25 → 余り 2,
27 → 余り 2,
・・・
p が奇数なので、帰納的に 2p を 3 で割ったときの余りは 2 と分かります。
※ 正確な証明は、こちらの記事で述べています。
p2 を 3 で割ったときの余りは 1 で、
2p を 3 で割ったときの余りが 2 だから、
p2 + 2p を 3 で割ったときの余りは 0 です。
p2 + 2p が素数であり、かつ 3 の倍数ということだから、その値は 3 です。
つまり、p2 + 2p = 3 です。
一方、(1) より、
p2 + 2p ≧ 17 だったので、これは矛盾です。
したがって、p を 3 で割ったときの余りは 1 でないということになります。
巡回するということに注意して検算
【余り 2 の場合】
p = 3z + 2(ただし、z は自然数)と置きます。
p2 = (3z + 2)2
= 9z2 + 6z + 4
= 9z2 + 6z + 3 + 1
= 3(z2 + 2z + 1) + 1
※ 3 で割ったときの余りが 4 というのは、余りが 1 ということです。
z2 + 2z + 1 は自然数なので、
p2 を 3 で割った余りは 1 です。
p が奇数なので、帰納的に 2p を 3 で割ったときの余りは 2 でした。
ゆえに、p2 + 2p を 3 で割ったときの余りは 0 です。
p2 + 2p が素数であり、かつ 3 の倍数ということだから、その値は 3 です。
つまり、p2 + 2p = 3 です。
一方、(1) より、
p2 + 2p ≧ 17 だったので、これは矛盾です。
よって、p を 3 で割ったときの余りは 2 でないということになります。
割ったときのまとめ
これまでの内容をまとめます。
素数 p を 3 で割ったときの余りは、0 か 1 か 2 の3つの場合が考えらます。
ところが、余り 1 の場合と余り 2 の場合は発生しないということが分かりました。
そのため、素数 p は 3 の倍数ということになり、
p = 3 のみということが確定しました。
よって、p2 + 2p が素数となっているとき、p の値は 3 のみという結論になります。
割る数を 3, 4, 5 ・・・と順に調べ続けることなく、3 で割ったときにすぐ解決できたので良かったです。
今回は、大学入試で整数問題が出題されたときに、余りと検算の式からアプローチする内容を述べました。
他にも2元2次方程式の整数解という記事も投稿しています。
また、余りについて、初等整数論を学習する上で基礎となる内容たちについての記事もあります。
これで、今回の記事を終了します。
読んで頂き、ありがとうございました。